"Yohji Yamamoto POUR HOMME" 13AW Tuxedo vest fake layered design shirt

1番下ボタン上部シミ有り

1981年にパリコレクションデビューを果たし、当時タブーだった黒を全面に押し出したコレクションはコムデギャルソンと共に「黒の衝撃」と称されたYohji Yamamoto POUR HOMMEより、アイコニックな逸品をご紹介致します。

タキシードベストを思わせる構築的なフェイクレイヤードが印象的なこちらの逸品は、Yohji Yamamoto POUR HOMME 13AWコレクションにて登場した一着であり、テーラードの美意識をシャツのフォーマットへと落とし込んだ、極めて稀有な存在であると言えます。

マットなブラック生地による比翼仕立てのベストが、白シャツと一体化するように前身頃へ縫い込まれており、身体の中心に強い垂直性を宿すデザインは、視覚的な洗練とともにスタイル全体に緊張感を与えています。裾に向かってシャープに突き出すV字のカッティングは、クラシックなドレスウェアへのオマージュを感じさせながらも、前後差を持たせたラウンドヘムと組み合わされることで、静と動を内包したようなコンテンポラリーな佇まいを醸し出しています。

13AWシーズンは「構築」と「解体」を繰り返しながら、男性服の本質的な強さを問い直したシーズンとしても知られており、本作はまさにその思想を体現した一着であり、シャツという日常的な衣服の中にドレスコードの語彙を忍ばせることで、着用者の身体性をより鋭利に際立たせてくれます。

また、生地はYohji Yamamotoらしいハリのあるコットンをベースに、ベスト部分には若干ウール混のようなテクスチャーが採用されているため、素材のコントラストが立体感を一層際立たせており、ジャケットを羽織らずとも一枚でフォルムが完結する完成度の高さが魅力です。

ディテールに意味を宿した造形美に惹かれる方や、ドレスの語彙を日常へと持ち込む美学を楽しみたい方、そして一枚で語れるシャツをお探しの方にこそお勧めしたい、Yohji Yamamotoの思想が色濃く宿る逸品となっております。

スタイリングとしては、ミッドナイトトーンのワイドスラックスに光沢を抑えたロングブーツ、もしくは足元をソリッドなレザーシューズで引き締めることで、クラシカルとモードが交差するような造形美を楽しめます。また、インナーとしても優れており、ミニマルなロングコートやスタンドカラーのアウターと合わせることで、内側から滲み出るような知性を演出できます。

是非この機会に。