"Valentino Garavani"Shawl collar A-line silhouette long coat

裏地左上擦れあり

Valentinoのアクセサリーラインで、伝統的なクラフツマンシップとモダンな感性を融合させた、時代を超えて愛されるアイテムを展開している

Valentino Garavaniより、スペシャルな逸品をご紹介致します。

深く落ち着いたブラックにわずかな起毛感が宿り、丸みのあるショールカラーと端正なダブルブレストが静かな品格を描いているこちらの逸品。

まず目を引くのは、首元を柔らかく包むショールカラーで、折り返しに程よい厚みをもたせることで顔まわりに陰影が生まれ、マフラーがなくても佇まいがきちんと決まる設計と言えます。

前身頃は二列に整然と並ぶボタンが縦線を強調し、上段は胸の位置を美しく見せ、下段は身頃をすっきりと留められるため、冷たい風をしっかり遮りながら重たく見せないバランスが叶っていますね。肩は切り替え線をやわらかくカーブさせ、肩先に角を作らないため、インナーが厚くなる時季でも可動域に余裕があり、着心地の良さがはっきり感じられます。

生地は細かな凹凸のあるウールで、光を穏やかに吸い込みながら表面にリズムを生み、黒一色でものっぺりせず、距離によって表情が変わるのが魅力です。腰位置には大ぶりのフラップポケットを斜め気味に配し、手を差し入れた時の収まりがよく、荷物を入れてもラインを崩しにくい作りで、実用性の高さが心強いですね。袖口は余計な飾りを排し、手先の動きを妨げない長さに整えられているため、手袋の重ねもスムーズに行えます。

シルエットは裾に向かって緩やかに広がるAラインで、歩くたびにヘムがふわりと揺れ、黒の重さを軽やかさへと変える効果がはっきり出ます。着丈は膝下まで届く安心感のある長さで、ワンピースにもトラウザーにも自然に馴染み、季節の主役として頼れる一本と言えますね。

内側は滑りの良いライニングで袖通しが軽く、ニットの上に重ねてももたつかず、長時間の移動でもコンディションを保ちやすいのも嬉しいところです。サイズは40表記で、ミドルゲージのニットを中に入れても余裕を残しつつ、前を閉じた際に身体の中心へすっと線が集まる設計が生きています。

付加価値としてまず強調したいのは、ショールカラー×ダブルという組み合わせが「柔らかさ」と「端正さ」を同時に叶えている点で、顔まわりには優しい丸みが生まれ、前身頃にはテーラードの緊張感が宿るため、シーンを選ばず着映えすると言えます。さらに、表情のあるウールと控えめな光沢のボタンが呼応することで、黒のワントーンでも奥行きが出て、アクセサリーに頼らずとも装いが完成するのもこのコートならではですね。Made in Italyの丁寧な縫製が裏から支え、長くワードローブの軸として活躍してくれる確かな手応えがあります。

MOODとしては、ロゴではなく佇まいで上質さを語りたい方や、日常のテーラリングにやわらかなニュアンスを添えたい方に特におすすめで、オンオフの境目を軽やかに越えて頼れる存在と言えます。

スタイリングとしては、タートルニットにフレアスラックスを合わせ、レザーのロングブーツで重心を受け止めると、ダブルの縦線とAラインの揺れが響き合い、モードとエレガンスが綺麗に両立します。黒のニットドレスに細めのレザーベルトを添え、コートをふわりと肩掛けすれば、ショールカラーの丸みが女性的な柔らかさを引き出しつつジェンダーレスに楽しめますね。

是非この機会に。