"Vintage raglan sleeve 100% cashmere stand-collar coat"

MOODより、美しいディテールを誇る逸品をご紹介致します。

深い黒が静かに光を吸い込み、微細な起毛が指先をやさしく受け止めるピュアカシミヤ100%を贅沢に用いたこちらの逸品。

襟は小さめに設計されており、首元をすっきり整えつつ、立てても寝かせても表情が決まり、第一ボタンだけを見せてその下を隠す前合わせは、比翼ゆえにフロントの面が凛として、素材の艶と落ち感がいっそう際立つと言えますね。

肩はラグランスリーブでなだらかにつながり、肩線を強調しないため、インナーとの段差が出にくく、ニットやジャケットの上からでももたつきが少なく、袖へと自然に続く流れが身体の動きを美しく受け止めます。緩やかに広がるロングシルエットは縦の印象を強め、歩くたび生地が静かに揺れ、品の良い陰影が生まれます。

ポケットは縦方向に沿って控えめに配され、手の出し入れが自然で、面のクリーンさを損なわず、立ち姿へさりげない奥行きを添えます。袖口は装飾を抑えたプレーンな仕立てで、カシミヤのふくらみがそのまま表れ、手首の所作まで上品に見えるのが魅力です。背面は切り替えを最小限に抑え、ドレープが裾へまっすぐ落ちるため、ロング丈でも軽やかに映りますね。

裏地を配した内側は袖通しが滑らかで、カシミヤ特有の軽さと保温性が共存し、羽織った瞬間から体温をやさしく蓄える着心地が得られます。過度なディテールに頼らず、構造と素材の良さで完成度を高めている点に、この個体ならではの付加価値があり、日常の一場面へさらりと重ねるだけで装い全体の品格が一段上がると言えますね。

クラシックの骨格を保ちながらモードの静けさを帯びる佇まいは、ジェンダーを問わず“良いコートを一着、長く着たい”という方へまっすぐ届き、ワードローブの軸として季節を越えて頼れる存在と言えます。

スタイリングとしては、リーンなシャツをインに収めてストレートトラウザーと合わせると縦のラインが際立ち、前を留めれば比翼のフラットな面が凛と映えます。ドレープ感のあるスラックスやスカートと合わせると、よりアイコニックな表情をお楽しみ頂けますね。

是非この機会に。