"YVES SAINT LAURENT" 80's-90's Wood toggle design pebbled leather bag

1962年のブランド創設以来からモードの帝王として親しまれ、今なお多くの人を魅了し続けている

YVES SAINT LAURENTより、大変珍しいデザイン性を誇っている逸品をご紹介致します。

シボ感豊かなブラックレザーの表情に、フロントで静かに存在感を放つウッドトグルとレザータッセルが組み合わさることで、どこかエスニックなニュアンスと都会的な洗練が同居したこちらの逸品。

マットな艶を湛えたペブルドレザーは、細かなシボが全体に均一に走っている為、光の加減でほどよい陰影が生まれ、キズも目立ちにくく、日常使いに寄り添う実用性とラグジュアリーさを兼ね備えた素材と言えますね。横長のフォルムに大きなフラップを重ねた構造は、縁取りのパイピングにより輪郭がくっきりと際立ち、柔らかさの中に凛とした直線を感じさせるデザインで、肩に掛けたときも美しく身体に沿うバランスに整えられています。

何より目を惹くのが、フロント中央に配されたウッドトグルで、滑らかに磨き込まれた木製パーツにレザーコードを通し、そこから細かなタッセルが流れるように下がる構成になっている為、サンローランが愛したサファリルックや民族調のムードをさりげなく日常に落とし込めるディテールと言えます。金属金具を全面に押し出すのではなく、自然素材を一点だけ効かせることで、肩の力が抜けた大人のラグジュアリーを表現している点に、このモデルならではの付加価値が宿っていますね。

背面には大きめのアウトポケットが備わっており、さっと取り出したいカードケースやスマートフォンを収めておくのに便利で、フラップを開けるひと手間を減らしつつ、見た目の印象を崩さない実用的な設計となっています。

内部にはYSLロゴが繰り返し織り込まれたライニングが用いられており、ブラックトーンで統一された内装は落ち着いた雰囲気を保ちながらも、覗き込んだときにしっかりとブランドの存在を感じられるバランスに仕上がっています。マチにはほどよい厚みがあり、長財布や小物ポーチ、文庫本などを無理なく収められる容量が確保されている為、デイリーから少し改まったシーンまで安心してお持ちいただけます。

ショルダーストラップは長さ調整が可能で、ジャケットの上から肩掛けにしても、やや長めに設定して斜め掛けにしてもサマになる位置に調整しやすく、その日の気分やスタイリングに合わせてバランスを変えられる点も魅力です。これらのレザーの風合い、ウッドトグル、タッセルのあしらい、そして内装のロゴ使いを総合すると、こちらは【1980年代後半〜1990年代初頭】にあたる時期に、サンローランが持つ「冒険心」と「自然への愛情」を都会的なバッグとして再解釈したモデルであると言えますね。煌びやかなゴールド金具ではなく、素材そのものの表情で語るYSLのアーカイブは現存数も多くなく、静かな個性を求める方にとっては非常に魅力的な選択肢になってくれるはずです。

スタイリングとしては、すっきりとしたロングジャケットやコートにシンプルなニットとストレートシルエットのパンツを合わせ、その肩にこのバッグを掛けていただくと、ジェンダーレスで端正なスタイルの中に、穏やかな遊び心が一滴加わったような印象に整いますし、オフの日には、落ち感のあるシャツやワンピースにさらりと斜め掛けして、足元をレザーシューズでまとめることで、リラックス感と品の良さが共存する大人のカジュアルへと昇華してくれます。

是非この機会に。