-SPECIAL- "YVES SAINT LAURENT" 00's Tom Ford period stacked ring design horizontal leather bag

1962年のブランド創設以来からモードの帝王として親しまれ、今なお多くの人を魅了し続けている

YVES SAINT LAURENTより、極上の逸品をご紹介致します。

艶をたたえたブラックレザーの長い直方体シルエットが、余白の美しさで横のラインを描き、金具の陰影がアクセサリーのような存在感を添えるこちらの逸品。

本体はハリのあるカーフレザーで、表面にわずかなシボを載せることで日常の光を柔らかく受け止め、間口はすっきりとした一枚仕立て風の構成で、内部にはスエードタッチのライニングとレザーパッチのブランドタグが配されている為、手を差し入れたときに質感の切り替えが生む高揚感がきちんとありますね。

ショルダーストラップは連続するOリングをレザーループで繋いだデザインで、マット寄りのガンメタル調の艶が強すぎない主張を生み、肩に当たる部分にはレザーコードの通し飾りを施したパッドを重ねることで、視覚の強さと掛け心地の穏やかさが両立していると言えます。両端の大振りなリングで着脱が容易な為、ストラップを外して細長いクラッチとして持つ演出も実用面と審美性の双方から楽しめます。

内装のエンボス刻印“YVES SAINT LAURENT rive gauche”タグと、金具語彙・横長バゲットのプロポーションを総合すると、2000年代前半の〈Rive Gauche〉期と判別でき、トム・フォード期に象徴的だったメタル×レザーの官能的なアクセントをデイリーに落とし込む発想が色濃く反映された一作と言えます。

特に、リングを連ねる構造でストラップ自体がジュエリーのように見える点、そして着脱によって“クラッチ／ショルダー”の二面性が生まれる点は、この個体ならではの付加価値で、装いの緊張感を保ちながら所作にリズムをもたらすところが魅力です。長財布や携帯、リップなど必要なものを横にすべらせて収めやすい間取りで、容量を欲張らないからこそ輪郭の美しさが崩れない設計と言えますね。

MOODとしては、装飾を足さずに“線と面”の洗練で色気を表現したい方、装いの最後に一筆の黒を引く感覚で持てるバッグを探している方へ、都会的な夜と日中の端正さを自然に行き来できる相棒としてお薦めします。

スタイリングとしては、テーラードジャケットやロングコートの直線に沿わせて縦の余白を強調する組み合わせで静かな迫力をつくり、ミニマルなニットとストレートトラウザーに合わせて端正なバランスへ寄せる提案も上品にまとまり、ドレープの効いたワンピースやロングスカートの上からはクラッチ持ちに切り替えて所作の美しさを前に出すアプローチも効果的です。シャツと細身のパンツにさらりと肩掛けして、金具の連続がアクセサリー代わりの役割を果たす使い方も現代的で、エレガント・モード・ジェンダーレスの幅で自在に活躍してくれますね。

Rive Gauche期の文脈を宿しつつ、リングストラップの造形美とクラッチへの可変性を一体化させた、静謐さと強さを兼ね備えた逸品となっております。

是非この機会に。