"PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE" Irregularly washed shirt jacket

1本の糸から素材開発を行い、縫製後プリーツをかける独自の「製品プリーツ」という手法にこだわり
ドメスティックブランドの最高峰を確立しているPLEATS PLEASE ISSEY MIYAKEより、アイコニックな逸品をご紹介致します。

漆黒の光沢を仄かに宿し、繊細に刻まれた陰影が立体的な存在感を引き立てるこちらの逸品。

ややドライな質感を持つテキスタイルには、ブランドの代名詞であるプリーツとは異なるアプローチが取られており、不規則な折り目が全体に施された“皺”のようなニュアンスが空気を孕んだように漂い、布地の軽やかさと静かな緊張感が共存しています。前立ては潔くシャツ仕様となっておりますが、着丈は腰元で切り返されるようなやや短めのボックスシルエットのため、ジャケットライクな汎用性もあり、インナー使いにも軽羽織にも応用可能な構造です。

また、全体に走る立体裁断のラインが特に印象的で、肩から袖、身頃にかけて直線と曲線が交差するように切り替えが施されており、それにより生地の動きに独自の表情が生まれています。縫製面では非常に滑らかで丁寧なパイピング処理が施されており、ブランドの一貫した“着るアート”としての姿勢がここにも静かに感じられる構造となっております。

このような構築性と柔らかさの両立は、身体性を強調しすぎずに造形を引き立てるため、性別を問わずに美しくフィットする設計であると言えますし、特定のフォーマットに依存しないこの中間的な存在感は、まさにPLEATS PLEASEならではの魅力と言えます。

過度な主張を避けつつも、確かな造形力と空気感を日常に宿したい方、静かに個性を響かせる一着を求めている方にぜひお勧めしたい、装いの基点となるような逸品となっております。

スタイリングとしては、ウールギャバジンのワイドパンツやシルク素材のスラックスなど、重さと軽さの質感を対比させたボトムと合わせることで、素材のもつ陰影をより際立たせることができ、さらにノーカラーのアウターやスリーブレスベストをレイヤードすることで、線と面の美しさを活かした奥行きのある装いに昇華して頂けますね。

是非この機会に。