"MAISON MARGIELA" Atelier 75011 design canvas large bag

既存の概念に挑戦し続け、老若男女問わず愛され続けており設立以来から今でも第一線で活躍し続けているMaison Margielaより、スペシャルな逸品をご紹介致します。

柔らかくも芯のある生成りのキャンバスに、漆黒のグリッドラインが精緻に走る構図的な表情が印象的なこちらの逸品。

ブランドの原点を静かに物語る“Atelier 75011”のステンシルプリントが施されており、その佇まいには工房の空気をそのまま封じ込めたような、実直で潔い美しさが宿っています。

素材には重厚感を感じさせる肉厚のコットンキャンバスが用いられており、触れた瞬間にわかる強度と、使い込むことで現れる表情の変化も魅力のひとつで、フロントにはブランドを象徴する四つの白いステッチがさりげなく配されており、記号ではなく“記憶”としてのロゴの在り方を体現していますね。

スクエア状に構成された黒線のパターンは、一見すると構造的で理性的でありながら、どこか手描きのような揺らぎを残しており、マルジェラらしい“精度と不均衡”の美学が感じられます。そしてロールトップの開閉構造は、日常においては視認性と安全性を両立しながら、シルエットの変化を愉しむギミックとしても機能しており、内側には細やかなポケットと仕切りが備えられているため実用面でも確保されております。

ワークウェアを思わせる均整の取れたベルトディテールや、ミリタリーバックパックから着想を得たストラップ構造は、ユニセックスな佇まいの中に芯の通った機能性を感じさせ、スタイルを問わず現代的なコーディネートへと昇華してくれます。

アトリエという語に象徴される“創造の場”を、あえて個人の背中に背負わせるという構図は、単なるブランドロゴではなく、着用者とブランドの間に生まれる“共犯性”を提示しているようでもあり、マルジェラという存在が如何に匿名性と作者性を往復してきたかを静かに伝えてくれるデザインと言えます。

構築的でありながら詩的、無垢でありながら意味深、そんな二重性に惹かれる方にこそ手に取っていただきたい、メゾン マルジェラらしさを最も静かかつ、最も力強く伝えてくれる逸品となっております。

スタイリングとしては、軽やかなウールパンツや、やや光沢を抑えたナイロン素材のアウターなど、質感に幅を持たせた装いと好相性であり、全体のシルエットにコントラストを与える要素として非常に優秀です。また、ミドルレングスのコートの背中に控えめに見える“ATELIER”の文字は、語らずして語る知性を纏う表現として、性別やシーンを問わず幅広いスタイルに落とし込んで頂けます。

是非この機会に。