"Dolce & Gabbana" Navy originated Italian tailored pea coat

右側のポケットボタン無し

「偽りのない表現に、かつてなく都会的な感性が加えられ、型にとらわれずそこから脱却した洗練したスタイル」 、をコンセプトとするDOLCE & GABBANAより、端正な仕上がりを放つ逸品をご紹介致します。

マットな黒が高密度のウールに深く沈み、広めのラペルと端正なダブルブレストの配列によって、胸元に確かな品格を描いているこちらの逸品。

海軍由来のヘリテージを、イタリアンテーラリングの曲線で磨き上げた設計思想が要で、直線的な前合わせに対して胴のシェイプをほんのり入れることで、重心がキュッと上がり、軍物の骨格を保ちながら都会的なドレス感へ引き寄せていると言えますね。

サイドに走るスラントのハンドウォーマーは身体に沿って手を受け止め、下部のフラップ付きパッチポケットが収納力を担いつつ面構えにリズムを与える為、実用と造形が気持ちよく結び合っています。

内側はダイヤモンドステッチのキルティング仕様で、見た目のボリュームに反して軽やかな保温性を確保し、胸内ポケットを両側に備える構成が日常の所作を滑らかに導き、ミドル寄りの着丈がヒップを包みながら脚の余白を残すため、コート全体の縦線がすっと伸びて見えるのも魅力です。

ボタンは落ち着いた艶で統一され、黒の面に静かな陰影を刻むことで素材の密度を際立たせ、縫い代や端のステッチが均一に整う丁寧な仕立ては、長い寿命を約束してくれる付加価値だと言えます。

DOLCE&GABBANAらしいパターンメイキングは肩から二の腕にかけてのラインを精悍に整え、厚手のニットを差してもシルエットの美しさを損なわない懐の深さを備えており、ミリタリーの威厳とモードの緊張が同居する“都市型ピーコート”として、性別や年代を超えてワードローブの核になり得る完成度が特別です。

スタイリングとしては、ハイゲージのニットをインに差し、ワイドスラックスとスクエアトウのレザーブーツで縦の線を整えると、コートの端正さがいっそう際立ち、エレガントでありながらモードの芯を感じる装いに仕上がります。加えて、シルクスカーフを細く結んでVゾーンへ落とし、艶を抑えたレザーベルトや薄型のドレスウォッチと呼応させれば、ジェンダーレスに洗練が滲むバランスが完成しますね。

是非この機会に。