"MAX&Co." 90's Classic maxi-length angora mix long coat

イタリアンエレガンスを基盤に、日常使いしやすい洗練されたスタイルを提供するブランドである

MAX&Co.より、ブランドを体現する様な逸品をご紹介致します。

クラシカルなダブルブレストの佇まいと、足元近くまで流れるマキシレングスが端正な縦のラインを描いているこちらの逸品。

やや広めにとられたラペルは、角をわずかに落とした設計の為、鋭さよりも落ち着いた品の良さを感じさせる表情で、胸元から裾にかけてまっすぐに落ちるIラインに近いシルエットと相まって、着る人の身長や体型を問わず凛としたバランスに整えてくれる構成と言えます。

前身頃には8ボタンのダブルブレストが配されており、ボタン位置を少し高めに設定することで上半身をコンパクトに見せつつ、裾へ向かって生地がすとんと落ちていくことで、90年代らしいロングコートのムードを今に伝えるデザインに仕上がっていますね。

素材にはウールをベースに、25%のアンゴラがブレンドされている為、見た目の重厚さに反して驚くほど軽く、肩に掛けた瞬間にふわりとした起毛感と包み込まれるような暖かさが広がる仕立てと言えます。アンゴラ特有の柔らかな毛足が表面にうっすらと浮かび上がることで、光を受けた時に生地の面に繊細な陰影が生まれ、ダークトーンのコートでありながら平板にならず、冬の街並みに溶け込みながらもしっかりと存在感を放ってくれます。

袖口には生地をたっぷりととったカフスディテールが入り、共地のストラップとボタンでさりげなく引き締める構造になっている為、手首まわりに立体感が生まれ、マキシ丈の分量感とバランスを取ってくれるのも美点と言えます。腰位置には縦方向にすっと入る箱ポケットが配されており、横広がりにならずにラインを崩さないまま手を添えられる設計で、実用性とシルエットの美しさを両立させたつくりですね。裏側には「classics」のラインタグと「MADE IN ITALY」の表記が入り、カジュアルラインでありながらマックスマーラグループらしい真面目なものづくりの姿勢が端的に現れていると言えます。

これらの確かなタグ情報と、マキシ丈かつほぼストレートに落ちるシルエット、長めのカフスディテールといった要素を総合すると、本品は【1990年代後半】、なかでも1995年〜1999年頃に製造されたコートであると位置づけることができます。

当時のMAX&Co.は、ミニマリズムやロングコートブームの流れを汲みつつ、マックスマーラのコート作りのDNAをより日常に落とし込むブランドとして支持を集めており、この一枚にも「日々の通勤から特別な一日にまで寄り添う、堅実で上質な一枚を」という空気が色濃く反映されていると言えますね。現行ではコストの観点から難しくなりつつあるアンゴラ混の贅沢な生地使いと、イタリア生産ならではの端正なパターンワークが同時に味わえる点は、ヴィンテージのMAX&Co.ならではの大きな付加価値と言えます。

スタイリングとしては、上質なニットやシャツとすっきりとしたボトムスを合わせた装いの上からさらりと肩掛けするだけで、ジェンダーを問わず縦のラインが強調され、冬のスタイルを静かに格上げしてくれますし、ロングスカートやワイドパンツに合わせてあえて分量感を重ねることで、現代的なモード感を添えたコーディネートにもよく馴染みます。

是非この機会に。