"FENDI" 00's-10's Karl Lagerfeld design shaped long coat

1925年のブランド設立以来

多くのセレブ達やファッショニスタを虜にし続け、イタリアを代表するハイブランドとして支持され続けているFENDIより、洗練された美しさを誇る逸品をご紹介致します。

しっとりとした起毛感をもつウール85％カシミヤ15％の上質な生地を贅沢に用い、縦にすっと落ちるミニマルなロングシルエットが静かな存在感を放つこちらの逸品。

2000年代初頭から2010年代半ばにかけてのFENDIは、カール・ラガーフェルドのもとでロゴブームの熱を経験しながらも、より洗練されたラグジュアリーへと舵を切り、贅沢さとさりげない遊び心を併せ持つコレクションで評価を高めた時代と言えますね。大胆なモノグラムではなく、素材とカッティングで格の違いを語るアウターが多く生まれた時期で、このコートも一見するとシンプルなブラックのロングコートでありながら、襟元のタグが静かにブランドのアイデンティティを伝え、ブランドを知る方にだけ伝わる“本物らしさ”を宿していると言えます。

フロントは余計な装飾を排したクリーンな比翼仕立てのような設計で、閉じたときに前身頃が一枚の面として美しく見える為、ロング丈でありながら軽やかでシャープな印象に仕上がっていますね。ややコンパクトに収まりつつも窮屈さを感じさせない肩のラインと、裾に向かってわずかに広がるよう計算された切り替えパネルが、身体の動きに合わせて緩やかなフレアを生み、歩いたときに生地が自然なドレープを描く構造になっていると言えます。

袖口にはハンドステッチを思わせる細かなステッチワークがあしらわれていて、全体のミニマルなデザインの中にほんの少しだけクラフト感を忍ばせることで、さりげない遊び心と温かみを添えています。また、起毛感のあるウール×カシミヤは触れた瞬間に柔らかさと軽さが伝わり、しっかりとした厚みがありながらも、カシミヤ混ならではの軽快な着心地で冬のアウターとして頼もしい存在になってくれますね。裏側には滑りの良いライニングが配されている為、ニットやジャケットの上から羽織ってももたつきにくく、秋口のライトレイヤードから真冬のスタイリングまで幅広く対応できる汎用性の高さも魅力です。

全体として、ロゴや装飾に頼らず、素材の質感と縦に伸びるラインの美しさだけで「FENDIらしいエレガンス」を表現している点に、この時代のFENDIが追求していたタイムレスなラグジュアリーの精神が感じられると言えますね。トレンドに左右されないブラックのロングコートだからこそ、長くワードローブの軸として付き合える一枚を求める方や、さりげなくブランドの空気感を纏いたい方に、特に相性の良いコートだと感じます。

スタイリングとしては、シンプルなニットにセンタープレスの効いたスラックスを合わせ、足元にレザーシューズやブーツを添えていただくと、性別を問わず静かで芯のある佇まいが生まれますし、膝下丈のスカートやワイドパンツの上からさらりと羽織ることで、現代的なレイヤードバランスを楽しめるのも魅力です。また、首元に細めのマフラーやスカーフを軽く添えるだけで、ミニマルなデザインの中に上質なニュアンスが生まれ、都会的な冬のスタイルを完成させてくれますね。

是非この機会に。