"CHRISTIAN DIOR MONSIEUR" Classical tailored Zegna base satin tuxedo set up

創業以来コンセプトに掲げるエレガントをベースに、シックな男性像をイメージしたアイテムを

数多く展開しているCHRISTIAN DIOR MONSIEURより、仕立ての美しい逸品をご紹介致します。

深く沈むブラックウールのきめ細かな艶が光を柔らかく吸い込み、丸く流れるショールカラーのサテンによって、顔周りを華やかに演出して頂けるこちらの逸品。

ジャケットはミニマルなフロント仕様で、ショールカラーがゆるやかに弧を描くため、顔周りに陰影が生まれ、肩は過度に誇張しない構築で、身頃に適度な余白を残すバランスがフォーマルの格式と現代の抜けを上品に両立しています。

袖口の重ねボタンまで端正に整えられ、腰ポケットは片玉縁でフラットに処理されている為、サテンの光沢が際立ちますね。パンツは両脇にサテン側章を通し、クリースの落ち方がまっすぐに決まる設計で、立ち姿がすっきりと伸び、歩く度に細い光のラインが生まれる視覚効果が美しいと言えます。

内側は“Christian Dior MONSIEUR”のスクエアパッチとCDジャカード裏地で統一され、滑りが良く、着脱の所作まで端麗に見せてくれます。

年代は、黒地に二重額縁の“Christian Dior MONSIEUR”レーベル、ショールカラー×一つボタンのクラシックな組み合わせ、CDジャカード裏地といったディテールから、2000年代初頭のモンシュー期と判断でき、この時代特有の“ロゴより仕立てで語る”抑制美が色濃く反映された一揃いと言えますね。

なお、本セットアップはエルメネジルド・ゼニアのファブリックをベースに仕立てられている為、超細番手の梳毛が織りなす均整の取れた目面と高密度の組成によって黒の深度がいっそう際立ち、ショールカラーのサテンとのコントラストが端正に映えます。糸の弾力がドレープをまっすぐに落とし、復元力の高さでクリースが長時間でも美しく保たれる為、式典やレセプションの移動を含む一日を通しても凛とした佇まいを維持できるのが付加価値と言えますね。さらに、ゼニア特有の柔らかさとドライタッチが同居する手触りで、肌離れが良く、季節の振れ幅にもしなやかに応える実用性まで備わっている点が魅力です。

現行とは一線を画す肩まわりの余裕と前身頃の包容が、身体の線を無理なく整える為、テーラリングの品位を日常の所作にまで自然に落とし込める点こそ、この個体ならではの付加価値です。セットアップとして完備していることも希少で、式典からレセプションまで幅広いオケージョンに即応できる実用の強さが備わっています。

スタイリングとしては、繊細なハイゲージのニットをインに差し、ジャケットは一つ掛けでVゾーンを縦長に見せ、足元をプレーントゥのレザーシューズで端正に受けると、性別を超えてしなやかなエレガンスが立ち上がります。あるいは、クリーンな白シャツに細幅のサテンタイもしくはシルクスカーフを添え、パンツはウエスト位置をわずかに高めに設定してヒールのあるブーツでラインを伸ばすと、歴史的なタキシードの文脈を保ちながらモードの緊張感を静かに纏えますね。

是非この機会に。