-SPECIAL- "Salvatore Ferragamo" 90's-00's A neat silhouette 100% lapin fur coat

ポケット淵スレあり

「頭のてっぺんからつま先までフェラガモで装う」

「ラグジュアリーな生活の追求」をコンセプトにかかげ創業から90年以上経った今でも愛され続けているSalvatore

Ferragamoより、

たっぷりとした毛並みの深い艶と、テーラードの端正さがひとつに結ばれたこちらの逸品。

身体の線をまっすぐに美しく見せるロング丈に、鋭く切り込むノッチドラペル、前立ては端正なシングルボタンの配列で、比翼に頼らずとも面の美しさが際立つ設計と言えますね。

袖口には並んだボタンが控えめに立体感を添え、腰位置のフラップポケットは手の収まりがよく、シルエットを崩さずに実用性を確保しています。裏側は滑らかな総裏仕立てで、袖通しは軽く、歩くたび内側で空気が循環する為、ロングでも重さを感じにくい着用感と言えます。

素材はラパン（RABBIT FUR）。毛足を整えた表情は驚くほど滑らかで、光が当たると面でしっとりと艶を返し、動きに合わせて陰影が流れます。ミンクに比べて軽やかで、日常的に羽織りやすい点が魅力で、寒さの厳しい日にも肩に負担がかかりにくい実用面の価値が高いと言えますね。

タグと仕様から年代を読み解くと、ブラック地に白い筆記体ロゴのブランドタグ、「I／US／F／D」の多国サイズ表記、〈LAPIN・MADE IN ITALY〉の小タグ、さらに多言語のケアラベル（レザー専門クリーニング指示）が付く構成は、輸出を前提にした本格レザー／ファーラインに見られるもので、1990年代後半〜2000年代前半のフェラガモに特徴的なディテールと言えます。

イタリア製の確かな縫製と、家業ブランドらしい端正なテーラリングが前面に出た時期の空気を色濃く宿し、今の静かなラグジュアリー観にも自然に接続するアーカイブ価値を持つ一着です。

MOOD視点での付加価値は、テーラードの構築感とファーの柔らかさが同居している点にあります。大ぶりの襟は顔周りを包み込み、留め方次第で表情が変わり、比翼に頼らない直線的な前身頃は、写真映えと実用性（着脱の容易さ）を両立します。ロング丈は縦のリズムを強調し、足元の選び方でフォーマルにもデイリーにも舵を切れる柔軟さを備えています。

スタイリングとしては、上質なニットやシャツにまっすぐ落ちるトラウザーを合わせ、足元はロングブーツやすっきりしたレザーシューズでまとめると、縦のラインが際立ちます。また、ワンピースの上にさらりと重ね、アクセサリーは最小限にまとめる等、素材の艶を主役にしたスタイリングが、現代的でジェンダーレスな印象に仕上がります。

イタリアの確かな仕立てと、軽さ・温かさ・端正さを一枚で叶える稀有な存在感を携えた逸品となっております。

是非この機会に。