"FENDI" 90's Italian classic 100% cashmere belted coat

1925年のブランド設立以来

多くのセレブ達やファッショニスタを虜にし続け、イタリアを代表するハイブランドとして支持され続けているFENDIより、スペシャルな逸品をご紹介致します。

1991年前後のシーズンに製造された、バブル期の余韻がまだ濃く残る時代に、ラグジュアリーが“理屈抜きに素材へ投資していた”空気感を、そのまま形にしたようなこちらの逸品。

まず目を奪うのは、カシミヤ100%ならではの面の美しさで、起毛の揺らぎが光を受けるたび静かに濃淡をつくる為、装いを語らせなくても品格だけが残ります。

ロングレングスの分量がありながら印象が重くならないのは、肩を包み込むラグランスリーブの設計により、ラインが角張らず自然に落ちるからで、いわゆる90年代初頭の“ソフト”なイタリアンクラシックを端正に示してくれます。

襟は幅を持たせつつも過剰な主張を抑えたバランスで、首元を閉じた時はミニマルに、開いた時は生地のドレープが立ち上がる為、同じコートでも表情を切り替えられるのが魅力です。

フロントは比翼（ボタンが隠れる仕様）を思わせるクリーンな設計で、ボタンの存在感を必要以上に見せないからこそ、素材の上質さが主役として浮かび上がりますね。

ウエストには共地ベルトが備わり、無造作に結ぶだけでも輪郭が生まれる一方、バックル付きのベルトパーツを通せば構築的な締まりが出る為、クラシックにもモードにも寄せられる懐の深さを備えています。

ポケット位置も手を入れた時の所作が綺麗に見えるバランスで、日常に落とし込んだ際の“使えるラグジュアリー”として成立している点も、当時のFENDIらしい魅力と言えますね。

スタイリングとしては、上質なシャツにスラックスを合わせて端正にまとめても良いですし、ミニマルなトップスにロング丈のボトムを重ねて縦のラインを強調すると、ベルトの表情がより映えます。加えて、レザーの小物や構築的なバッグを添えるだけで、この時代のイタリアンラグジュアリーが持つ“余裕のある色気”が自然に漂いますね。

是非この機会に。