"GUCCI" Anger forest eagle head ring

最上の伝統を最上の品質で、過去のよいものを現代に反映させる商品作りという思想を軸に、時代ごとの美意識を軽やかに更新してきたGUCCIより、ミケーレ期を象徴する世界観を手元に宿す逸品をご紹介致します。

神話や動植物のモチーフを濃密に編み上げるミケーレ期の中でも、Anger Forestの持つダークで詩的な空気感をそのままリングへ落とし込んだこちらの逸品。

艶のあるブラックの質感でまとめられたイーグルヘッドが指上にせり上がり、彫刻のような立体感が生まれる為、ジュエリーという枠を越えて装いの芯を作ってくれますね。

横顔を決定づけるのは、鋭く伸びたシルバートーンのくちばしで、黒一色に沈みがちな面へ金属の輪郭を差し込むことで視線の抜けが生まれ、モチーフの迫力が過度に重くならないバランスへ整っています。

このコントラストがあるからこそ、ダークなムードを纏いながらも品位を保てる点が、Anger Forestらしい付加価値と言えますね。

頭部から首元にかけては羽毛を思わせる起伏が細かく作り込まれており、光の当たり方で陰影が変化する為、平面的なアイコンではなく、奥行きのある表情として楽しめる仕上がりです。

そして、ヘッドの量感に対してリングの収まりが良いように見え、モチーフがただ乗っている印象にならず、指に沿って一体化する造形へまとめられている点も魅力ですね。

猛禽というモチーフが持つ意味合いは、視線の鋭さや意志の強さといったニュアンスへ自然に繋がり、ミケーレ期特有の物語性と結びつくことで、装いに静かな緊張感を加えてくれます。

ロゴで語るのではなく造形で語れるリングだからこそ、日常の中でふと手元に目が留まる瞬間までデザインとして成立し、持ち主の美意識をさりげなく示せる逸品と言えますね。

スタイリングとしては、端正なテーラードジャケットにスラックスを合わせた直線的な装いへ添えると、手元だけにドラマが宿り、全体のムードが引き締まります。

また、ミニマルなシャツや上質なニットにロングコートを重ねるようなシンプルなレイヤードに合わせれば、リングの立体感が際立ち、性別を問わずモードな余韻を足せますね。

是非この機会に。