"tricot COMME des GARÇONS" Structured kiss-lock leather shoulder bag

日常の道具としてのバッグへ、遊び心と構造美を同時に持ち込むことで、装いの完成度を静かに引き上げてきたtricot COMME des GARÇONSより、がま口仕様ならではの造形が際立つ逸品をご紹介致します。

金具の存在感とレザーの艶が、端正な緊張感としてまとまっているこちらの逸品。

まず目を惹くのは、上部をぐるりと縁取るメタルフレームで、リベットを等間隔に並べた無骨な表情が、いわゆる可愛らしさのがま口とは異なる、工業的でモードな空気を生み出していますね。トップの留め具は小さなノブ状のパーツでまとめられている為、開閉という機能がそのままデザインへ昇華されており、バッグ全体の輪郭をより明確に見せてくれます。

ボディはしっとりとした光沢のあるレザーが用いられており、フレームの硬質さに対して面の柔らかさが際立つことで、素材の対比が一層美しく感じられます。正面上部にはシールドのような切り替えパーツが配されている為、視線が自然と中央へ集まり、コンパクトなサイズ感でも印象がぼやけません。

サイドにはリング状の金具と可動パーツが連なり、ストラップを支える構造がしっかりと設計されている点も魅力で、動くたびに金属がわずかに揺れることで、静かな中にリズムが生まれますね。ストラップはバックルで長さ調整ができる仕様の為、肩掛けから斜め掛けまで日常の動線へ合わせやすく、外見の強さだけで終わらない実用性が丁寧に作り込まれています。

内装は起毛感のある素材でまとめられており、開いた瞬間に手触りの良さが伝わる為、持ち物を収める動作そのものが少し上質に感じられますし、口が大きく開くがま口構造によって、荷物の視認性が高いのも嬉しいところですね。

装飾で華やかさを足すよりも、構造と素材のコントラストで品よく個性を出したい方や、ギャルソンの文脈を小物から取り入れて装いの密度を上げたい方へ特におすすめで、持つだけでスタイリングの重心を整えてくれる逸品となっております。

スタイリングとしては、テーラードジャケットやロングコートなど輪郭のあるアウターに合わせると、フレームの直線が呼応して洗練された印象に仕上がりますし、シンプルなシャツやニットにスラックスを合わせた端正な装いへ添えるだけでも、程よい違和感が生まれてモードへ寄せられますね。足元はレザーシューズやブーツで質感を揃え、アクセサリーは控えめに留めると、このバッグの構造美が自然に引き立ちますね。

是非この機会に。