ポスト・ラグジュアリー時代 ― ファストファッション全盛の中で、なぜ“ラグジュアリー"を選ぶのか
ラグジュアリーはかつて、富裕層のための閉ざされた領域だった。しかし21世紀、ファストファッションの台頭によって、トレンドは誰にでも手に入る“日常”へと転化した。
トレンドを追うことが消費サイクルの一部に過ぎなくなった今、「本物のラグジュアリーを選ぶ理由」が改めて問われている。MOODはこの問いを、顧客と共に考え続けたい。
量から「意味」へ
ファストファッションは速く、安価で、便利だ。しかしその服には、着る人が「なぜこれを選ぶのか」という問いに応える物語が存在することは少ない。
一方ラグジュアリーは、素材・職人技・デザイン哲学の総和であり、選ぶことそのものに意味がある。MOODはその「意味」を読み解き、顧客のスタイルに組み込むガイド役でありたい。
遊び心のあるラグジュアリー
MOODが提案するのは、重厚さや権威を押しつけるラグジュアリーではなく、日常と共鳴する「遊び心のあるラグジュアリー」。
例えば、精緻なジャケットを羽織った後、デザインフルな小物を重ねることで、完璧さの中に意図的な緩みを生む。そうすることで、ラグジュアリーはガラスケースに飾られるものではなく、呼吸する現実のスタイルとなる。
経済的背景 ― ラグジュアリー市場の拡大と二極化
世界的に見ると、ラグジュアリー市場は近年右肩上がりだ。LVMHやKeringといった巨大グループは、中国や中東を中心に新しい富裕層を取り込み、売上を過去最高水準まで伸ばしている。一方でファストファッションも拡大を続け、消費の二極化が鮮明になっている。
つまり現代は「誰もが似た服を着られる時代」であると同時に、「差異化のためにラグジュアリーを求める時代」でもある。MOODはこの“二極化”を前提に、単なるブランド消費ではなく「顧客の個性に根差す選択」をサポートする。
サステナブルな選択としてのラグジュアリー
ファストファッションは、環境負荷や労働環境の問題を内包する。一方でラグジュアリーメゾンは、サステナブルな素材開発やトレーサビリティ、クラフツマンシップの継承を積極的に掲げている。
エルメスの革製品修理サービスや、グッチが取り組むカーボンニュートラル戦略などは、ラグジュアリーが単なる「消費」ではなく「未来に残る選択肢」であることを示している。
MOODもまた、遊び心を含んだスタイリングを提案することで「持続可能で長く愛される服」を顧客に伝えたい。
グローバルな潮流と自己表現
SNSが普及した現在、ファッションはローカルな流行に縛られず、瞬時に世界と共有される。結果として、同じブランドやシルエットが世界中で広がりやすくなった。その中で「自分自身のアイデンティティ」をどう可視化するかは、ますます重要な課題となっている。
MOODは、ラグジュアリーの歴史や背景を踏まえつつ、それを「遊び心で着崩す」ことで、顧客一人ひとりが唯一無二のスタイルを持てるよう提案していく。
MOODのスタンス
ポスト・ラグジュアリー時代において、ラグジュアリーは遠いものではなく、自分自身の人生を豊かに生きるためのツールである。
MOODは服を単なる消費財としてではなく、「文化」「価値観」「アイデンティティ」を纏う行為として位置づけ、顧客にそれを解釈するための言葉と体験を提供する。
遊び心を持ちながら、誠実で持続的な選択を。
これこそがMOODが目指す、未来に向けたラグジュアリースタイルである。
