"dunhill" Classically tailored corduroy jacket

英国発のラグジュアリーメンズブランドで、1893年創業、馬具店をルーツに自動車アクセサリーから発展し、テーラリングやレザー、ライターで知られる“控えめな英国エレガンス”が持ち味のdunhillより、アイコニックな逸品をご紹介致します。

畝が穏やかに光を拾い、テーラードの骨格に柔らかな陰影と温度を与えるこちらの逸品。

ノッチドラペルは幅を出し過ぎず端正に設計され、フロントは2ボタンでVゾーンがきれいに縦へ伸びるため、コーデュロイの量感がありながらも重たく見えないバランスに整いますね。肩はナチュラルショルダーで、厚い肩パッドに頼らず体の線から少しだけ離れて落ちる設計だから、前後の見え方がすっきりと保たれます。

胸にはウェルトポケット、腰にはフラップポケットが配され、実用性と視覚的な安定感を同時に与える構成で、袖口は3ボタンの開き見せにより手元の所作が上品に収まります。内側は総裏で袖通しが滑らかなので、ニットやシャツの上からもストレスなく羽織れ、着用時間が長い日にも頼もしさを発揮します。

付加価値として、テーラリングを軸にした英国ラグジュアリーブランドであるdunhillが、コーデュロイというワーク・カントリーの素材をドレスの文脈へ丁寧に昇華している点は見逃せず、細すぎない畝がもたらす“面の落ち着き”と“生地の復元力”により、長時間の着座や移動でも膝周りや肘のシワが馴染みやすいことが大きな魅力と言えます。

さらに、裏地の取り回しと前身頃の芯据えが適度に軽く、体の動きに合わせてラペルがふわりと戻るため、ウールのテーラードよりも軽快で、それでいてジャケットとしての端正さを保つ設計思想が感じられますね。休日と仕事の境目を自然に跨げる“静かなフォーマル”という価値が、この一着ならではの強みです。

スタイリングとしては、モックネックとクリース入りトラウザーで直線を強調し、レザーのローファーで足元の密度を整えると、上品さと軽さが共存します。また、すっきりしたプリーツスカートにサイドゴアブーツを合わせて縦の分量をつなげれば、ジェンダーレスなエレガンスが自然に立ち上がりますし、薄手のタートルネックにドレス時計やミニマルなチェーンを添えるだけでも、素材の深みによって美しく魅せることが出来ますね。

是非この機会に。