"BURBERRY" Garment dyed faded hunting design coat

ダメージ有り

クラシックかつトラディッショナルな表現法を特徴とし、イギリス王室御用達とされるBURBERRYより、独特な風合いを誇っている逸品をご紹介致します。

鈍い光を含むチャコールブラックに洗いをかけたような奥行きがにじみ、手に触れると微かに起毛したスエードタッチがしっとりと沈む、こちらの逸品。

ノッチドラペルからすっと落ちる三つボタンの前身頃は直線的な緊張感を保ちながら、ミドル〜ロング丈の分量感で縦の線をきれいに伸ばし、胸下に配したハンドウォーマーと下段のフラップポケットがハンティングコート由来の機能性を静かに蒸留しており、都会的な端正さとユーティリティの気配が一枚の中で調和していると言えますね。

縫い代に沿って現れる陰影はガーメントダイのような表情を思わせ、エッジのニュアンスが立体をやさしく強調するため、黒一色でも素材の階調だけで豊かな存在感が生まれます。

襟裏には同色で“BURBERRY ESTABLISHED 1856”の意匠が控えめに刻まれ、ブランドのヘリテージをさりげなく纏えるのが魅力で、首元のロールは芯据えがきちんと効いているため、開けても閉じてもVゾーンが崩れず、所作まで端正に整います。柔らかなタッチで肩まわりの可動域も確保されているので、長時間の着用でもストレスが少なく、日常に馴染みながら品格を保てる点は高い付加価値と言えますね。

伝統的なフィールド・テーラリングを現代的なミニマリズムへ翻訳した佇まいで、時間とともに生地表面の濃淡が深まり、唯一無二の表情へ育つ楽しさがあるため、静かに個性を語りたい方にこそふさわしい逸品となっております。

スタイリングとしては、極細ゲージのハイネックニットを差し込み、センタープレスのウールトラウザーズにヒールブーツを添えることで、素材の重奏を際立たせつつジェンダーを超えた端正さへ引き上げるのが良いです。あるいは、マットなシャツにハイウエストのロングスカートもしくは落ち感のあるワイドスラックスを合わせると、クラシックとモードをバランス良く織り交ぜて頂けますね。

是非この機会に。