"BURBERRYS Blue Label" 96's-99's Classical detail tailored jacket

バーバリーの上品なイメージの中に都会的なテイストを加えたデザインを特徴とするBURBERRYS Blue Labelより、クラシカルな仕立てが美しい逸品をご紹介致します。

深いブラックのウールをたっぷりと用い、すっきりと縦に落ちるシルエットと端正なテーラードカラーが、どの角度から見ても上品な佇まいを描き出しているBurberrys BLUE LABELのジャケットであるこちらの逸品。

タグに刻まれた「Burberrys」の旧ロゴと「BLUE LABEL」の表記から、この一着が1996年から1999年のごく短い期間にだけ存在した“過渡期”のプロダクトであることが分かり、日本でバーバリー人気が最高潮に達していた90年代後半の空気をそのまま閉じ込めたアイテムと言えますね。英国本国のクラシックな世界観をベースにしながら、日本の若い世代の体型や都市的な感性に合わせて調整されたラインで、当時の日本市場に向けて丁寧につくられたことがうかがえます。

フロントはシンプルなボタン留めで、程よく幅を持たせたラペルが顔周りをすっきりと見せ、肩から裾へ向かって真っ直ぐ落ちるように設計された身頃が、着る人の体型を選ばず美しいIラインを描いてくれます。腰位置には、やや低めに設定されたパッチポケットが配されていて、手を差し入れたときに自然と落ち着く位置にくる為、実用性とリラックス感を両立したディテールと言えますね。

生地はふんわりとした起毛を感じるウールで、厚みがありながらも硬さを感じさせない柔らかなタッチが特徴的です。ボタンにはさりげなくブランドロゴが刻まれており、近くで見るとクラシックな表情が立ち上がり、ミニマルなデザインの中に歴史あるメゾンらしい重みが宿っています。また、前端や裾まわりには丁寧な縫製が施され、開けて着たときも生地がきれいに落ちるよう細かく整えられているのも魅力です。

内側を覗くと、ブラックのライニングの奥からアイコニックなノバチェックがさりげなく顔を出し、脱ぎ着の瞬間や裾が揺れたときにだけ“らしさ”を主張する構造になっています。表側はあくまでシックにまとめながら、裏側にだけブランドのシンボルを忍ばせるデザインは、当時のBLUE LABELが大切にしていた「本物の品質」と「自分らしい遊び心」のバランスを象徴していると言えますね。

1990年代後半という、旧ロゴの終わりと新しいBURBERRYの始まりが交差したタイミングに生まれたこの一着は、単なるアウターではなく、ブランドの転換期を肌で感じられるアーカイブ的な存在とも言えます。ノバチェック全開のわかりやすい一枚ではなく、あくまで日常に馴染むジャケットとして仕立てながら、裏地やディテールにだけ熱狂の時代を忍ばせているところに、当時の日本の若い世代へ向けた特別な一枚であったことが感じられますね。

スタイリングとしては、シンプルなニットにストレートシルエットのスラックスを合わせ、足元をレザーシューズでまとめると、性別を問わず凛とした都会的なスタイルに仕上がりますし、シャツや薄手のトップスの上からラフに羽織り、ボタンをいくつか開けて着ることで、ノバチェックの裏地がちらりと覗くカジュアル寄りのコーディネートも楽しめます。

是非この機会に。