"FENDI" 1970's oversized astrakhan fur coat

1925年のブランド設立以来、多くのセレブ達やファッショニスタを虜にし続け、イタリアを代表するハイブランドとして支持され続けているFENDIより、スペシャルな逸品をご紹介致します。

1970年代のFENDIが手掛けた、まさにアートピースともいえるこちらの逸品。

当時のFENDIは、ファッション業界でファーの加工技術を大きく進化させたことで知られていますが、本作もその革新性を感じさせる、象徴的な逸品となっております。

通常のコートとは異なり、裾へ向かって優雅に広がるマントのようなデザインが採用されており、歩くたびに流れるような動きを演出します。そのため、静止しているとクラシックなケープコートのようにエレガントな佇まいとなる一方で、動くことでドラマティックな表情を見せる点が非常に魅力的ですね。

また、ボディ部分には光沢感のあるアストラカンファーが用いられており、カールした独特の毛並みが美しい陰影を生み出します。アストラカンは密度が高く、防寒性にも優れているため、単に贅沢な素材というだけでなく、機能面でも秀逸な素材と言えます。

襟元、袖口、裾には、上質なミンクファーを贅沢にあしらっており、特に襟は顔周りを華やかに彩る立ち上がりのあるデザインに仕上がっている為、クラシックな雰囲気の中にどこかロイヤルな気品が漂いますね。袖口のミンクファーはリボンを思わせる繊細なギャザー加工が施されており、ほんのりフェミニンなニュアンスを感じさせるデザインとなっています。

ブラックシルクのライニングにゴールドの装飾が施されており、見えない部分にもFENDIならではのラグジュアリーなエッセンスが込められています。ゴールドの細やかな刺繍が、まるで夜空の星を思わせるような幻想的な模様を描き、脱いだときにも美しさが際立つデザインとなっている点が美しいです。

また、肩のラインにはあえてシームを目立たせないような一枚仕立てのカッティングが施されており、これにより流れるようなシルエットが生まれています。この時代のFENDIのファーアイテムは、極力ステッチを表に出さず、縫い目の美しさにもこだわっていた為、職人技の高さと時代背景が織りなす美学が伺えます。

スタイリングとしては、デニムやスラックスといったシンプルなアイテムと合わせ、リアルクローズに落とし込んだ着こなしは勿論のこと、ウエストマークのベルトを巻き付け、持ち前の美しいシルエットをより強調し、フルレングスのスカートを合わせたフェミニンな着こなしもおすすめしております。

是非この機会に。