"FALORNI" Braided leather dome boston bag

うちファスナーヘッド無し

イタリアの革づくりの伝統を背景に、ハンドワークによる編み込みレザーを得意とするFALORNIより、柔らかなレザーの質感と立体的な編みディテールが存分に堪能できる逸品をご紹介致します。

熟練の職人技がつくり出す有機的な表情と、どこかアートピースのような存在感が同居しているこちらの逸品。

まず目を引くのは、フロントに走るレザーチェーンのような編み込みディテールで、細くカットしたレザーストラップを一つ一つくぐらせながら連続的につなぎ合わせることで、表面に波のような起伏が生まれ、光の当たり方によって陰影が豊かに浮かび上がる表情に仕上がっている点と言えます。ベースとなるレザーは程よい厚みを持ちながら非常にしなやかで、きめ細かなシボが自然な艶をたたえている為、使い込むほどに柔らかさと奥行きが増し、唯一の表情へと育っていく過程も楽しんでいただけますね。

ハンドル部分は、芯材に沿わせたレザーをぐるりと巻き付けながら編み込むように仕上げており、握った時に手のひらにふわりと馴染む丸みと、視覚的なボリューム感を両立させています。ハンドル付け根からサイドにかけても細かな編みディテールが続いており、単なる装飾ではなく、全体の構造を支える要素として機能している為、荷物をしっかり入れてもフォルムがくたりと崩れにくい設計になっていると言えます。

フロントに揺れるレザータグにはブランドロゴが刻まれ、その下に配された立体的なレザーチャームが、FALORNIが得意とするイントレチャートの世界観を象徴するポイントになっており、小さなパーツにまでハンドメイドの温度が宿っているのが感じられますね。ボディの下部は編み込みをあえて入れず、レザーそのもののふくよかな張りを活かした設計とすることで、上部の複雑なディテールとのコントラストが生まれ、視線が自然とバッグ全体をなぞるようなバランスに整えられています。

口元はファスナーで大きく開閉でき、内側には滑らかな質感のライニングがたっぷりと配されており、暗めの外装との間にさりげないコントラストが生まれることで、荷物を出し入れする瞬間にだけ女性らしいニュアンスがふっと立ち上がる設計になっています。内ポケットやファスナーポケットも備えられている為、携帯電話やカードケース、鍵など細かなものをきちんと仕分けて収納でき、見た目のボリュームに対して中身はすっきりと整理しやすい実用性も嬉しいポイントと言えますね。

横から見ると、ふっくらとしたマチがしっかり確保されており、日常の必需品に加えてタブレットやポーチなども余裕を持って入れられる容量になっています。それでいて、底面は過度に硬くなり過ぎず、レザーの柔らかさを活かしながら荷物の重さを受け止めてくれる為、肩掛けや手持ちを切り替えながら一日中連れ歩いてもストレスを感じにくいバランスと言えます。

編み込みレザーというと端正でかっちりとした印象になりがちですが、このバッグはあえて革のシボ感やシワを残した表情と、ゆるやかに丸みを帯びたフォルムによって、少し土っぽさのある温かみを纏わせている為、ラグジュアリーでありながら肩の力を抜いて楽しんでいただけます。職人の手仕事を生活の中で静かに味わいたい方や、ブランドロゴを前面に出すのではなく、素材と造形で上質さを伝えたい方に、特にしっくりと馴染むバッグと言えますね。

スタイリングとしては、ミニマルなニットやシャツにテーラードのコートを重ねたすっきりとした装いに合わせて、手元にこのバッグを添えていただくと、レザーの立体感がコーディネート全体に奥行きを加えてくれます。また、落ち感の美しいワンピースやロングスカートと合わせて、あえて歩く度にバッグが揺れる余白を楽しむようなスタイルもおすすめです。

是非この機会に。