"LOEWE" Ceramic photo print T-shirt

皮革工房として誕生し、そのモダンなデザインと洗練された製造工程へのアプローチを得意とするLOEWEより、美しいアート性を誇る逸品をご紹介致します。

柔らかなコットンジャージーに落ち着いた光沢を宿し、胸元いっぱいに静謐な“ひょうたん型の器”を配したプリントTシャツであるこちらの逸品。

首元は詰まり過ぎないクルーネックで、リブの厚みがほどよく、肩線はやや落として身幅にゆとりを持たせている為、身体から生地がまっすぐ落ちて余白のあるシルエットが生まれますね。

袖は肘下で自然に止まる長さで、裾は緩やかなストレートなのでタックインもアウトも収まりが良く、日常の動きに合わせて表情が変わる使い勝手の良さと言えます。

フロントの大判プリントは、淡い青磁のような器を黒の背景に浮かび上がらせ、丸と雫を重ねたバランスがミニマルな彫刻作品のように見える為、距離によって“写真”と“抽象”のあいだを行き来する視覚効果が生まれます。

さらに背面の襟下には「LARGE DOUBLE-GOURD VASE」「Qing dynasty, Qianlong period…」といった解説テキストが印字され、まるで美術館のキャプションのようにモチーフの出自をそっと語ってくれるので、単なるグラフィックTではなく“カルチャーを着る”体験に昇華している点が、この一枚ならではの付加価値と言えますね。

器という永く愛されるモチーフを現代のTシャツへ置き換えることで、クラフトへの敬意とモードの軽やかさが共存し、装いに穏やかな奥行きを与えてくれます。

スタイリングとしては、テーラードジャケットのインナーに差して、Vゾーンから写真の四角いフレームを覗かせると端正で、ハイウエストトラウザーにタックインしてレザーベルトで重心を上げれば都会的にまとまります。また、ロングのプリーツスカートと軽いカーディガンを重ね、Tシャツをアウトで揺らすとエレガントな抜けが生まれ、スリップドレスの下にレイヤードして裾だけを覗かせれば、ジェンダーレスなレイヤー遊びとしても落とし込めます。

是非この機会に。