"JEAN PAUL GAULTIER HOMME" Geometric polka dot silk tie

1980年代を席巻しでファッション界の異端児とも呼び声高く今なおファンを増やし続けているJEAN PAUL GAULTIER HOMMEより、アイコニックな逸品をご紹介致します。

漆黒の光沢が静かに波打つように揺らめき、まるで夜の静寂に浮かび上がる彫刻のような存在感を放っているこちらの逸品。

ジャカード織で表現されたドットモチーフは、単なる幾何学模様ではなく、インクを刷ったようなムラ感や流れを伴いながら、抽象画のように自由で不規則な美しさを湛えており、静謐さと荒々しさが交錯する視覚的深度が魅力となっています。また、完全な漆黒ではなく、墨黒に近い織り上げによって、光の加減でしっとりと艶を帯びたニュアンスが現れ、スタイリングに奥行きを与えてくれるのも特筆すべき点です。

さらに、通常のネクタイに比べてやや太幅に設計されており、あえてクラシックなノットを崩しながらラフに結ぶことで、モードにおける「タイ」というアイテムの再解釈を楽しめる構造となっております。ボリュームを持たせたスタイリングでも沈まない主張がありながら、柄や素材に頼らずして、ひと目で違いを感じさせる造形的強度があります。

ジャン＝ポール・ゴルチエというブランドの中でも、HOMMEラインで展開されたドレスアクセサリーは市場でも流通数が極端に少なく、特に90年代〜2000年代初頭のテキスタイルは工芸品に近い仕立てとなっており、現在ではまず見かけることのない希少なアーカイブピースとなっております。

スタイリングとしては、ウールやサテンといった質感に緩急のある素材を掛け合わせ、ボトムスにはピンタック入りのフレアスラックス、もしくは深いプリーツの入ったロングキルトなどを合わせることで、ジェンダーの枠組みを越えたエレガンスが宿ります。足元はレザーソールのローファーやミッドブーツを選ぶことで、スタイルに重みと静けさを加え、ネクタイの造形がより生きる構成に仕上げて頂けますね。

是非この機会に。