"CHRISTIAN DIOR MONSIEUR" Oversized double-breasted chester coat

創業以来コンセプトに掲げるエレガントをベースに、シックな男性像をイメージしたアイテムを

数多く展開しているCHRISTIAN DIOR MONSIEURより、スペシャルな逸品をご紹介致します。

深い黒のウールが直線と曲線の境を澄ませ、張りのあるピークドラペルと端正な6ボタンの配列によって、胸元に確かな品格を演出して頂けるこちらの逸品。

テーラードの文法を重んじながら、打ち合わせをやや広めにとった前身頃が体幹をすっと包み込み、腰の位置を自然に引き上げるカッティングが縦のラインを強調する為、長めの着丈でありながら重たく見えず、歩みのたびに前裾が品よく揺れる佇まいが美しいと言えますね。

わずかに角度をもたせたラペルの立ち上がりは顔周りをシャープに見せ、低すぎないボタンスタンスが胸の厚みを適度に残すことで、クラシックとモードの均衡が心地よく結ばれています。

フラップポケットはやや低い位置に据えられ、腰回りへ落ち着いた“重心”を与えつつ、直線的な玉縁の表情が黒の面に控えめな陰影を刻み、袖口の仕立てはコート全体の強度を損なわないよう端正にまとめられている為、長い時間の着用でも形が崩れにくい頼もしさが魅力です。

総裏のライニングは滑らかな袖通しを約束し、肩のアウトラインは過度に張らずに堂々としたシルエットを描くため、ジャケットの上からもハイゲージのニットの上からも綺麗に収まり、シーンを横断できる汎用性が付加価値として際立ちます。

Diorのラグジュアリー由来の気品は、軍装をルーツに持つチェスターに貴族的な静けさを与え、都市の冬景色へなめらかに馴染む“現代の正装”として機能するところが特別で、アーカイブ的な普遍性と現行ワードローブへの適応力を同時に享受できる完成度が頼もしいですね。

スタイリングとしては、比翼シャツにハイゲージタートルを重ね、クリースの通ったワイドスラックスとレザーブーツで縦を揃えると、ラペルの角度と前裾のドレープが際立ち、エレガントでありながらモードの芯を感じる装いに仕上がります。あるいは、シルクスカーフを細く結んでVゾーンに差し、セットアップやミニマルなニットの上から羽織れば、メタルの少ない小物使いでも十分な格が立ち上がり、シックな着こなしをお楽しみ頂けます。

是非この機会に。