"See by Chloé" Half-moon grommet-detail suede shoulder bag

オートクチュールのような重苦しさや権威的なイメージから抜け出し、ハイクオリティでありながらも着やすさや軽やかで現代的なデザインを引き出したコンテンポラリーな服を数多く発表しているSEE BY CHLOEより、デザインフルな逸品のご紹介です。

スエードの静かな艶と、シボ革の立体感を当たり前のように同居させた、SEE by Chloéらしいロマンティシズムが息づくこちらの逸品。

フロントは月を切り取ったようなハーフムーンの輪郭で、ラウンドの柔らかさがありながら、縁をぐるりと囲むアイレットが程よい緊張感を添える構成に仕上がっていますね。

まず目を惹くのが、ブラックスエードの面が生む深い陰影で、同じ黒でも光を吸い込みながら表情を変える為、装いに“奥行き”だけを足してくれるのが魅力と言えます。

そのスエードを受け止めるボディはシボ革で、指先に伝わる粒立ちが実用性と上質さを両立し、日常の所作に耐えるタフさを担保している点も嬉しいところです。

意匠として効いているのは、外周のアイレットとチェーンの関係で、アイレットのリズムが輪郭を引き締め、ゴールドトーンが顔周りに温度を生む為、シンプルな装いでも“仕上がった印象”へ導いてくれます。

フロントには丸いメタルプレートでロゴを静かに刻印し、主張は控えめなのに、見た瞬間にブランドの空気が伝わるバランス感覚が見事ですね。

開口部はファスナー仕様で、中身が見えにくく安心感があり、内側にはポケットも備える為、小物の居場所が自然に決まる設計です。

ハーフムーンのカーブは身体のラインに沿いやすく、肩に掛けたときにバッグだけが浮かない為、チェーンらしい華やかさを保ちながらも品よく収まります。

スタイリングとしては、ミニマルなコートや端正なジャケットに合わせ、素材のコントラストと金具の輝きで“余白”を埋める着こなしが相性良いですし、落ち感のあるワンピースやロングスカートに添えて、甘さをアイレットのエッジで整える合わせ方もおすすめです。

是非この機会に。