"SONIA RYKIEL" Textured knit button-front long cardigan

パリの空気を軽やかに纏いながら、ニットという素材に知性と色気を宿してきたSONIA RYKIELより、日常を上質に引き上げてくれる逸品をご紹介致します。

豊かな編みの表情を静かに主張へ変えていく構成美が魅力であるこちらの逸品。

まず印象的なのは、上身頃にかけて斜め方向へ流れるように入った立体的なテクスチャーで、単なる黒の面に留まらず、光の当たり方で陰影がゆっくりと移ろう為、動きの少ない所作さえ品良く映してくれますね。

首元は程よく高さを持たせたスタンドカラー寄りの設計となっており、襟周りに芯のある佇まいを与えつつ、前立てはボタンフロント仕様の為、きちんと閉じてワンピースとして成立させる着方はもちろん、前を開けてロングカーディガンのように羽織ることで、レイヤードの幅も自然に広がります。

また、袖は途中で編地の切り替えが施されていることで、腕に沿うラインが間延びせず、手元にかけてリブの分量を増やしたフレア気味のカフが、静かなドラマを生むバランスに仕上がっています。さらに、ウエストから下は編み目を落ち着かせた面構成へ移行していく為、上半身の表情を活かしながら縦の落ち感が綺麗に出やすく、全体のシルエットが過度に甘くならない点も魅力と言えますね。

フロント下部にはポケットが配されており、実用性を確保しながら視線の重心を下げてくれる為、ミニマルな黒でも単調になりにくく、ニットでありながらアウターライクな完成度を感じていただけます。ボタンも控えめな艶でまとめられている為、装飾に頼らず質感と構築で魅せる、SONIA RYKIELらしい設計思想が丁寧に表れていますね。

リラックス感だけで終わらないニットをお探しの方や、ワンピースをフェミニンに寄せ過ぎず品良く着地させたい方へ特におすすめで、季節の変わり目にも主役として成立しながら、着方の工夫で長い期間寄り添ってくれる逸品となっております。

スタイリングとしては、シャープなロングコートや端正なウールパンツを合わせて縦のラインを強調すると、ジェンダーを問わず凛としたムードに仕上がりますし、足元はレザーシューズやブーツで質感を揃えることで、ニットの表情がより洗練されて見えますね。

是非この機会に。