-SPECIAL- "CHANEL" 00's Boutique decoration with camellia motif brooch

数々の斬新なデザインで女性たちの服と価値観や生き方までも変化をもたらし、創業から100年以上経った今でも女性たちの憧れの位置付けにあるCHANELより、スペシャルな逸品をご紹介致します。

シャネルが象徴として愛し続けたカメリアを、リボンの余韻ごと纏える造形美となっているこちらの逸品。

まず目を奪われるのは、花弁を幾重にも重ねた立体のボリュームで、サテンライクな布地が光を受けるたびに柔らかな陰影を生み、モチーフでありながら装いの「面」を整える役割まで担ってくれますね。

中心のつぼみ部分は、完璧に整えすぎない“手の痕跡”が残る仕立てで、ジュエリーの硬質な煌めきとは別の、クチュール的な温度感へ着地している点も魅力と言えます。

そして、この個体ならではの価値を決定づけるのが、背面に見られるタグ仕様です。

通常の販売用コスチュームジュエリーに多い「楕円メタルプレート（年号刻印）」が確認できず、代わりに“CHANEL”刺繍の布タグが用いられている為、プレタ付属品やブティック装飾、あるいは上顧客向けのギフトに見られる系譜と整合します。

加えてピンも回転式の重厚な機構ではなく、軽さを優先した実用的な作りとなっており、これら複数の仕様が揃う点から、カール・ラガーフェルド期の中でも2000年代中盤〜の「非売品」カテゴリーに近い個体と言えます。

つまり、購入の満足を“素材の価格”ではなく、“当時のメゾン運用の周縁に存在したオブジェ”として引き上げてくれるところに、コレクタブルな意味合いが宿ります。

デザインの読みとしても秀逸で、カメリアの清潔な象徴性に、長く垂れるリボンが「所作」を加え、静止したブローチを動きのあるアクセントへ変換しているのが美しいです。

ギフトラッピングやショッパーの文法を、装いの上で成立するスケールへ落とし込んだような構成で、シャネルの“黒と白の美学”が、主張ではなく余白として残る設計になっていますね。

スタイリングとしては、構築的なジャケットやミニマルなコートのラペルに添えて、直線の強さに有機的な丸みを一滴落とすと完成度が上がります。

あるいは、端正なシャツやドレスの胸元に留め、リボンの縦線で重心を整える合わせもおすすめで、バッグのハンドルやストール留めに用いれば“装飾”が“機能”へ変わる楽しさも得られます。

是非この機会に。