“ロゴの衰退”と“コードの復権” いまラグジュアリーが、もう一度「印刷」ではなく「設計」に戻っている理由

“ロゴの衰退”と“コードの復権” いまラグジュアリーが、もう一度「印刷」ではなく「設計」に戻っている理由


“ロゴの衰退”と“コードの復権”

いまラグジュアリーが、もう一度「印刷」ではなく「設計」に戻っている理由



ラグジュアリーにおけるロゴは、長らく「品質保証」だけでなく「所属」や「成功」を短い距離で伝える記号として機能してきました。特に90年代後半から2000年代にかけて、モノグラムや大きなレタリングは“見せる消費”の空気と結びつき、装いの中心へと前進します。やがて2010年代には、ランウェイでもヴィンテージ市場でもロゴが再点火し、“分かりやすい強さ”が再び価値になっていきました。


一方で近年、ラグジュアリーの価値は「ロゴの大きさ」から、もっと静かな場所へ移っています。縫い目の角度、金具の所作、織りの陰影、形の比率。遠目では語らず、近づいた人だけが確信できる“コード”が、再び主役になり始めました。この流れを、Hermès/CHANEL/Bottega Venetaの三者は、非常に対照的な方法で証明しています。





Hermès:ロゴより先に、手仕事がブランドになる



Hermèsは1837年、馬具工房として出発した家です。ここで重要なのは、Hermèsの「分かる人に分かる」が、流行に合わせて作られたのではなく、起点から“職能そのもの”だった点です。象徴が“point sellier(サドルステッチ)”で、二本針で縫い進める伝統技法として、メゾンの中核に置かれてきました。今日もこの縫いはHermèsの革製品を支える基礎として語られています。


そしてHermèsのコードは、バッグの名前の強さだけに依存しません。たとえば、1937年に誕生したシルクスカーフ“カレ”は、馬具の家が「色と図像」を新しい語彙として獲得した出来事でした。初期の代表作「Jeu des Omnibus et Dames Blanches」が示すのは、Hermèsにおける“柄”が、単なる装飾ではなく、収集・工芸・印刷の厚みを背負った文化であるという事実です。


さらに、オレンジの箱も同様に「広告」ではなく、歴史の都合から定着したコードとして語られます。戦時下の資材事情がきっかけとなり、のちに象徴化したという説明は複数の解説で共有されています。

Hermèsの復権は、トレンドというよりも「作りの文法が、いまの時代の価値観に再同期している」と捉えるほうが誠実です。静かでも、近づけば“根拠”がある。その強さです。





CHANEL:コードが先にあり、ロゴは“後から強化”された



CHANELもまた、コードの家です。ただしHermèsと違い、CHANELの強みは「素材と形がつくる記憶」にあります。代表が2.55。1955年2月に生まれたこのバッグは、キルティング、チェーンストラップ、複数のポケットなど、使い方そのものをデザインに折り込んだ“構造の名作”として語られます。


ここで重要なのは、CHANELのバッグが“ロゴで成立した”わけではない点です。1983年にカール・ラガーフェルドが手がけた「クラシック・フラップ(11.12)」は、2.55の系譜を引き継ぎながら、ダブルCのターンロックを明確に前面化し、80年代の空気に合う“視認できる象徴”へと調律しました。

つまりCHANELでは、コードが先にあり、時代の要請に合わせてロゴが“増幅装置”として働いた。その順序が、いま再び説得力を持っています。


アパレル側のコードも同様です。CHANELのトリミング付きツイードスーツは、メゾン自身の年表でも重要な出来事として記録され、以後の「きちんと見えるのに堅すぎない」という女性像を長く支えました。

カメリアもまた、単なる花ではなく、CHANELの「無香で簡潔、しかし記憶に残る」美学を象徴する反復モチーフとして、現在まで更新され続けています。

CHANELにおける“分かる人に分かる”は、細部の合理性と、反復されるモチーフの記憶によって成立しています。





Bottega Veneta:ロゴを置かないことを、最初から理念にした



Bottega Venetaの特異性は、反ロゴが「最近の気分」ではなく、ブランドの核として定義されてきた点にあります。公式の説明でも、1966年創業、そして“intrecciato(編み込み)”とスローガン「When Your Own Initials Are Enough」が1970年代に位置づけられています。

ここではロゴの代わりに、編み目そのものが識別記号になった。触れれば分かり、光が当たれば表情が変わる。つまり“素材の情報量”がロゴの役割を肩代わりしたわけです。


この姿勢は、デジタル時代にも接続されました。2021年、Bottega VenetaがSNSから姿を消し、自社のデジタル・ジャーナルへ移行した件は象徴的です。クリエイティブ・ディレクターのダニエル・リーは、SNSが文化を均質化するという趣旨の発言とともに、この判断を説明しています。

“目立つロゴで勝つ”ではなく、“媒体の速度そのものを選び直す”。Bottegaのコード復権は、プロダクトだけでなく、発信の設計にまで及びました。





ロゴが弱くなったのではなく、「読まれ方」が変わった



誤解しやすいのは、ロゴが“終わった”わけではないことです。ロゴは今も有効で、時代によって強く回帰します。むしろ変わったのは、消費者が「何を証拠として信じるか」です。

ロゴは一瞬で伝わる。しかし一瞬で消費もされる。いま価値になりやすいのは、買ったあとにじわじわ効いてくる情報量です。縫製、金具、織り、形、物語。ラグジュアリーが再び“近距離の言語”へ戻っているのは、そのほうが長く愛され、説明がつくからだと考えられますね。





MOODのひとさじ



ロゴのある/なしを優劣で語るより、MOODとしては「その服や小物が、どの距離で美しく成立するか」を丁寧に見たいです。遠くで強い記号か、近くで確信に変わる設計か。いまの空気は後者に追い風が吹いていて、だからこそ“コード”の読み解きが、装いを静かに豊かにしてくれると考えています。

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